意味を探し続ける
社員の働く意義、五常の理念が見えてきました。
創業の五常は、工事一筋で頑張って来ました。建築、土木、鉄工、木工と何でもこなせる多能工が特徴でした。しかしその多能工は、〇〇専門工事というわかりやすいものではないため、新しいお客様へ理解してもらうのに苦労し、目の前の頂ける仕事を何でもこなしてきました。ある時お客様から、五常にお願いしてよかったと言われました。それは工事の品質や内容はもちろん、工事に対する姿勢、お客様への気遣いや挨拶、とにかく気持ちいい対応を評価頂きました。
安全とは何か、安心とは何か、品質とは何か、みんなで考え続けて来ました。これらは工事を提供する上で、絶対になくてはならないもの。品質の高い工事は、課題解決の手段に過ぎないのかもしれません。一方でお客様の声を聴き、お客様が何に困っているのかを理解し、それを解決することに誠心誠意で向き合う。これこそがお客様の喜びにつながっているのではないか。悩み解消に本当の価値があり、これが商売の本質、意味なのだと気づくことができました。常にできる方法を考え続けてきた、〇〇専門なのでできませんを言わない、多能工のDNAが今の五常の根底にあると考えます。
声を聴き、できる方法を考え、それに応え続けることで、事業の幅も奥行きも拡大してきました。ただそれは、たくさんパートナーさんがいてくれるから、自分たちが不自由なく働けることにも気づきました。1台の台車をお客様に届けてくれる方。その台車を作ってくれる中国の方々。その台車の部品を作ってくれる誰か。1台の台車がきっかけで、お客様と作り手が繋がることに、大きな意味がある事に気づいたとき、関わる全ての方に感謝の気持ちがより強くなりました。
私達は、直接お客様から感謝の言葉をいただきます。何よりも嬉しく、働きがいを感じます。だから、パートナーさんにその声と感謝の気持ちを伝えることで、働く喜びを共有できればと思います。みんなが、五常とまた一緒に働きたいと思っていただけるように。これが今の五常です。今はまだこれだけかもしれませんが、仕事の意味を探し続けていれば、もっとすごいことに気がつけるのだと信じています。
2021年5月5日
代表取締役社長 河野 佳介